現在、海洋における物理・化学・生物パラメータの計測技術は、現場型センサなどの開発により時空間的な測定限界を克服しつつあり、長期・広域計測に加え、IoT技術と連携した分散センシングなどの新たな試みも始まっています。これらの海洋計測技術は、沿岸域から深海、そして海底下も含めた海洋環境の科学的根拠に基づく継続的な調査に有用であり、計画的な海洋の利用に不可欠な要素となっています。また、SDGs時代を迎え、海洋生物資源の保全と持続的な利用に資するための基盤となる、海洋情報の全容を把握するためのツールとして、高度な調査手法とそれを支える計測技術は今後さらなる発展が予想される研究分野であり、また国際的な競争も激しくなると予想されます。そこで、先端技術の民間企業への技術移転などによって我が国の次世代海洋調査を強力に推進するためのロードマップ策定の必要性が高まっています。
本研究会では、新たな計測技術に基づいた海洋調査技術のフロンティアについて情報交換するフォーラムを開催し、研究開発のトレンド・市場ニーズ・共同研究のあり方などのトピックについて多角的に議論を行うと共に、積極的なフィールドの利活用の促進によって研究者や民間企業の新たな計測技術の展開に貢献します。